第30回

2022年度入試の本番が直前だ。
コロナ禍が沈静化するかと思われたが、オミクロン株が拡大。
本格的な2022年度入試に突入する前、多様な情報を取り上げてみた。 

2022年1月
大学&教育ウォッチャー  本間 猛

受験生の受験機会を出来るだけ確保
 「オミクロン株」が拡大する中で、文科省が2021年12月14日、大学入試でのコロナ対策にについて、「オミクロン株の濃厚接触者となった場合には受験を認めない」とする指針を各大学に通知し、代わりに追試受験を求めた。
 しかし、この措置について「受験生の心情を無視したものだ」との非難の声が、多くの人々からあがった。首相も12月26日には、「濃厚接触者となった受験生について、別室受験など受験機会を確保する方策の検討」を指示した。 受験生の切実な状況を考えれば、不安の解消は絶対に必要だろう。

2回目の「共通テスト」は難化したか?
 2022年1月15、16日には、2回目の「共通テスト」が実施、翌日からは「自己採点」が行われ、その結果を踏まえて2次出願となる。2022年度入試の注目点は、間もなく始まる私立大学一般選抜も含めて、①共通テストは難化するか、②志願者の都市回帰はあるか、③文系人気の回復が見られるか――等である。
 共通テストの出題を担当する「大学入試センター」は、平均点50点を目標にするとしていたが、2021年度の結果は50点を上回り、予想より易しかった。2022年度は、この反動で難しくなると見られていたが、結果はどうか?
 2021年度は地元志向が強かったが、コロナの沈静化模様で都市回帰が見られたか。また、理高文低の中、文系の人気回復が見られたのか? 大いに注目したいところだ。

2次での逆転は得点比率がポイント
 自己採点を行う業者は、全国の受験生から集めた「自己採点データ」を集計し、志望大学の合格可能性を判定して、データの提出者に戻す。受験生はこれを参考にしながら、受験大学を決めて2次出願を行う。正確な得点を記入しないと、曖昧な判定になるから要注意だ。
 合格可能性の高かった受験生は、そのまま2次対策をし、共通テストでの優勢をそのまま維持することを考えればよい。また、どうしても合格に届きそうにない人は、受験大学を変更することになる。
 さらに、2次逆転の可能性のある受験生は、志望する大学の「2次の得点比率が高いか」等をチェックし、高ければチャレンジする。ともかく、逆転は「得点比率」がポイントになる。

「英語外部検定試験」利用とコロナ禍
 グローバル社会への対応が求められる中、共通テストから「民間の英語外部検定試験の利用」が外されて以来、大学入試で外部試験を活用する大学が私立を中心に年々増えている。
 英語外部検定試験は、英検やG-TEC、TOEICなどの民間の英語検定試験を受験し、その成績やスコアを各入試に活用するものだ。
 文科省「大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査(2020年度)」によれば、すでに利用及び検討を含めると、一般入試では34.5%、AO入試では21.0%、推薦入試では28.0%となっている。
 大学の利用方法としては、①出願資格、②加点、③得点換算、④学力検査の代替、⑤判定優遇などと多様だが、受験料の高さ、会場数の少なさなどが問題になっている。特に、このコロナ禍では、地区にもよるが遠出をすることも、受験をすることも容易ではない。

小説を掲載した教科書がシェア1位
 元国語教員の知人と話をしたら、2022年度から高1生が使う教科書「現代の国語」が話題になっているという。高校の国語の必修科目は2022度から再編され、会議の記録や報告書など実用的な文章を扱う「現代の国語」(2単位)と、文学と古典に特化した「言語文化」(2単位)に分けられる。文科省は従来の文学偏重からの脱却を掲げ、社会で役立つ国語力を育てることを狙いとしていた。
 この方針を受けた殆どの教科書会社が、「現代の国語」で小説を扱わなかった中、広島の第一学習社のみは、「羅生門」など小説5点を掲載。そして、他社と同じく検定に合格した。

教科書が共通テスト結果に影響?
 2021年12月8日の文科省の教科書採択結果で、小説がある異端(?)の第一学習社の教科書が教員等の多くの支持を得て、採択シェア16.9%で1位になった。他社は公平性を欠く、と激怒しているという。高校現場の声より文科省の方針を忖度したのだろう。因みに、同社は10年後の改訂まで発行できる。
 文科省の検定の曖昧さが、多くの社に悲劇をもたらした。知人の元教員は、「小説の掲載有無によって、2025年度から新指導要領の下で実施される共通テストの国語結果に差が出るかがポイントだろう」と話していたが・・・?

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