大学・大学入試情報

2027年度「共通テスト」の受験案内が公表された。大きな変更点は3つ。スマートフォンは、試験会場では必ずカバンの中へ!! 年内入試の面接必須や私立大学250校削減はどうなる?

2027年度「共通テスト」受験案内公表
 大学入試センターは6月19日、Web出願導入2年目となる2027年度「大学入学共通テスト」の「受験案内」と「受験上の配慮案内」を公表した。
 本試験は、2027年1月16日・17日(追試験:1月23日・24日)に実施される。前年度の初実施で大きなトラブルはなかったが、実施した状況を踏まえて、いくつかの改善点や変更点を公開した。例えば、スマートフォンの扱いについては、厳しく規定した。

主な変更点3つ、スマホはカバンの中
【顔写真】 顔写真登録では、顔が小さすぎるといった理由で否認されるエラーを防止するため、出願サイトの登録画面に適切な大きさなどを示す「ガイド線」が表示される。
【不正行為】 通信機能のある電子機器類(スマートフォン等)はカバンの中にしまっていなければ、電源が切られていても使用しているものとし、不正行為とする。
【出願方法】 真に止むを得ない事由により、インターネット出願ができない志願者への対応の明確化など、一部を改正した。これらのほか、いくつかの注意点も記載されている。目を通しておきたい。
因みに、Web出願サイトのマイページ作成は7月1日午前10時から、出願は9月15日午前10時から受け付ける。

年内入試の「面接必須」は高校の反発
 受験生の関心が高いのは、「年内入試」(総合型選抜と学校推薦型選抜)で「面接が必須」になったことだろう。10月の出願まで3か月しか期間がないが、7月になれば各大学の2027年度版のパンフレットも出揃い、「面接」の扱い方が明らかになるだろう。
 毎年、「大学入学者選抜実施要項」は、大学や高校の団体が参加する「大学入学者選抜協議会」が、文科省の意見を聞いて決めている。2026年度年内入試では、2教科試験に小論文や面接など、多面的評価を加味することになっていたが、扱いは軽視された感じだった。
 2026年度の東洋大は、2教科試験(200点)を課し、調査書+小論文(20点)計220点満点の配点で、総合型選抜を実施した。
 また、近畿大は11月~12月の公募推薦入試で、事前課題として小論文を課したが、配点は0点だった。この形骸化に、高校側から大規模大学へ強い反発が出た。今年の「面接必須」は、それらを踏まえた措置なのだ。

大学は省エネタイプの「面接」を狙う
 2027年度入試は、早期に優秀な学生を多く獲得したいという大学の意向が強く、「年内入試」を実施する大学の増加が見込まれている。各大学がどのような形式の「面接」を実施するか、注目が集まっている。
 志願者が余り多くない大学は負担にならないが、数万人を超える受験者が集まる大学の負担は大きい。文科省は、就活時に実施しているような「AI面接」はNGとしている。
 本来は、1対1の面接が理想なのだが、省エネタイプの面接を予想してみた。
1)集団による面接、ディスカッション形式。
2)教科試験で人数を絞り込む1・2次形式。
3)Web面接の実施。コロナ禍で普及した。
4)自己PR を行った動画を提出させて対話。
5)面接官による地方試験会場での出張面接。
 いろいろと考えられるが──。

私立大学の250校削減目標は甘い?
 減り続けて、好転しない「少子化」。2025年度に生まれた子どもは約67万人だった。全員が成長すれば、18年後には2043年度の高三生である。この人数は、減ることはあっても増えることはないが残念──。
 1992年当時は、18歳人口がピークで約205万人。私立大学の総数は384校だったが、2025年度は591校で、207校も増えている。
 政府が2040年までに少なくとも250校を削減する必要があるという数値目標を公表し、私立大学の経営者に衝撃を与えたが、現在の18歳人口が1992年の約半分、2040年には約3分の1になるのだから、250校削減という数値目標はまだ甘いかもしれない。

国公立大も含めた定員規模の適正化
 この250校減の目標を公表したのは、財務相の諮問機関である財政制度等審議会の分科会。私立大学への補助金を支給する立場から、財務省が数値目標を示したことで、私立大学の削減が大きな流れになった。
 文科省としても、今までは進学率(1992年4年制大学・短大を含めた進学率は38.9%、2026年の進学率は60%台に達する見込み)の上昇で、大学数を維持してきたが、これからは「削減も止むなし」の方向だろう。
 また、この間には私立大学だけでなく、国公立大学も増えていた。高レベルの東京大学や京都大学等も含めて、全ての大学の定員規模の適正化などが不可欠になる。18歳人口が2040年には約3分の1なるのだから、難関大学だけを残しても学びが成り立たなくなる。

難関大も附属校・系列校・提携校化へ
 早慶、MARCHと呼ばれる早稲田・慶應・明治・青山学院・立教・中央・法政などの難関私立大学は、将来の少子化時代を見据えて、附属校・系列校・提携校など、高校の囲い込み、組織化に取り組んでいる。
 最近、法政大学は2027年4月から、東京家政学院中学・高校を系列化し、法政大学への推薦入学を増やそうとして話題になった。
 ともかく厳しいことだが、高齢化を伴う急激な人口減少は、総生産力(GDP)、国力、知力、研究力、教育力等を弱めていく。日本が初めて経験する少子化時代、やがて「総人口」、「知の総和」も減少する。これらの解決策の1つが、大学院等への進学による学びで、「個の知力」をアップさせることだろう。

大学&教育ウォッチャー  本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。

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