大学・大学入試情報

2027年度入試の変更点が公表され出した。新設大学は私立の3校。学部の新設、改組が目立った。情報・半導体関連など、農学部の新設も!! また国語の科目構成を、わずか4年で再編する理由は?

2027年度新設予定大学は私立の3校
 2027年度入試の変更点などが、少しずつ公表され出した。「共通テスト」は、2027年1月16・17日に実施される。6月「受験案内」の公表に始まり、7月「マイページの作成」へとほぼ前年同様の流れで進められる。
 文科省への事前申請が必要な大学や学部の新設などは、すでに変更点が判明している。大学の新設は私立大のみで、群馬:太田医療科学大(健康科学)、神奈川:中央医療大(医療科学)、福岡:博多大(データサイエンス)の3校。全体的に大学が減少傾向のなか、それでも地域の要請もあり新設の大学はある。

「学部」の新設・改組等は増える傾向
 学部の新設・改組は、国立:福島大(教育、政経)、東京大(カレッジ・オブ・デザイン)、信州大(サステナブル社会協創)、公立:福山市立大(情報工)、北九州大(情報イノベーション)、熊本県立大(半導体)、私立:東北学院大(教育・未来探究科学)、青山学院大(統計データサイエンス)、中央大(スポーツ情報)、日本女子大(経済)、京都女子大(食科学)など43大学に及ぶ。
 傾向として、情報・半導体などのIT・AI 関連、女子大の理系進出、定員割れ学部の改組・テコ入れ等が目立つ。さらに、農学部も多く、清泉大、明治国際医療大、広島修道大の3大学で学部設置の申請がなされた。また、各大学の2027年度変更点情報の中で、学部・学科の定員変更等は増加するだろう。

親世代の入試情報は様変わりしている
 年内入試(指定校推薦+学校推薦型+総合型)に挑戦し、5割超の受験生が合格するという最近の傾向は異常だ。年明けの一般選抜中心だった親世代の入試とは、様変わりしている。また、7月の三者面談では遅く、もっと早めに情報提供をすることが必要だろう。
 私立大の指定校推薦は、上位大と下位大で雲泥の差がある。上位大では入学者が成績を落とすと、次年度の出身高校の指定枠数が減らされる現実があり、これでは後輩に迷惑をかけてしまうという圧力があった。一方、下位大は、入学者確保を優先するから緩い。

上位大の「総合型」は時間を要する
 昭和・平成の入試は「どれだけ点数が取れるか」であったが、令和は「問題を提起し、さらに解決し、どんな価値を生み出せるか」などがポイントになっている。昭和・平成の「センター試験」と令和の「共通テスト」を比べれば、問題内容の違いは一目瞭然だ。
 上位大の「総合型」では、探究活動・問題意識・プロセス・将来ビジョンが問われる。どんな経験をし、何を生み出す可能性があるかであり、点数とは無縁である。これが21世紀を生きる「要諦」とされているが、この探究活動などは短期間にできない。1・2年かかるとすれば、早期の準備が必要になる。

僅か4年で「国語」の科目構成を再編
 文科省は5月11日、次期(2032年度以降)学習指導要領を議論する中央教育審議会(文科相の諮問機関)の作業部会で、高校の国語の科目構成を変更する案を示した。
 22年度から始まった、現行の指導要領で新設した「論理国語」「文学国語」などを僅か4年で廃止するとあって、国語科の担当は勿論、それ以外の教育関係者も注目していた。実は、それなりの理由があった。
 導入直後から、理系志望の生徒を中心に、文学を題材とした学びが不足するなど、偏りが指摘されていたのだ。再編案では、評論や小説など多様な題材で学べる科目構成に刷新する内容になりそうだ。

選択科目の履修率に大きな差があった
 再編案は作業部会での検討を経て、今年夏頃に固まる見通しだが、もう少し詳細に見てみよう。
 現行の指導要領では、主に高校2年以降を対象とする選択科目として、 *論理的な文章や実用文を題材とする「論理国語」 *小説などを扱う「文学国語」 *古文・漢文を学ぶ「古典探究」 *コミュニケーション能力を育成する「国語表現」――の4つがあり、履修パターンは学校に任されている。
論理国語は小説を読解対象としないとされていたが、学校現場などから小説に触れる機会が減るとの指摘があり、教科書に小説を載せるかどうかを巡って教科書会社の判断が分かれていた。
 また、文科省の2025年度の推計では選択科目の履修率に大きな差があり、論理国語、古典探究はいずれも70%を超えているのに対し、文学国語は49%、国語表現は16%にとどまった。大学入試につながらず、特に理系で選択されにくいことが要因とみられる。

教材として小説に接する機会が増加
 SNSの浸透、AIの発展を踏まえ、文科省は、人間同士のコミュニケーションの重要性が高まる中、自らの考えを表現し、対話する力の育成や、感性を育む学びが不足していると判断。表現や文学作品を学ぶ機会を増やす必要があるとした。
 新たな科目構成案では、選択科目を「標準科目」と「発展科目」の2段階に分ける。標準科目には「現代の国語Ⅱ」「言語文化Ⅱ」を設定する。「現代の国語Ⅱ」には論理国語と国語表現の要素を盛り込む。教材として小説も一律には排除せず、論理的な思考・表現につながるかによって判断する。
 「言語文化Ⅱ」は文学国語と古典探究の要素を組み合わせる。標準科目は文理選択や進学志望の有無を問わず多くの生徒が履修すると見込んでおり、理系選択の生徒も小説に接する機会が増えることになる。
 発展科目は焦点を絞って学ぶ内容とし、「論説と批評」「対話と表現」「文学と叙述」「古典と文化」の4つを設定する予定。ここでの科目の名称はいずれも仮称。高校の新たな指導要領は32年度以降実施される。

<参考>
【資料1】第9回国語ワーキンググループの検討事項について p22~p32 https://www.mext.go.jp/content/20260511-mxt_kyoiku01-000049712_3.pdf

大学&教育ウォッチャー  本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。

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