第66回 大学・大学入試情報コラム

本命は年明けの、入学者が多い「一般選抜」。受験生からアドバイスを求められる機会も増えてくるはず。2024年度入試には、どのような特徴があり、受験生の動向はどうなのか?

2023年11月
大学&教育ウォッチャー  本間 猛

2024年度入試も本命の「一般選抜」へ
 2024年度入試は「年内入試」(一部に「共通テスト」の結果待ちもある)が終わり、来春の「一般選抜」に突入する。国公立大は1月13・14日の「共通テスト」+2・3月の「個別(2次)試験」(前期・後期・中期)、及び私立大は2・3月の「一般選抜」となる。
 2025年度「新課程入試」を回避し、前年の2024年度入試で合格を手に入れようとする受験生が増えると予想されている。

動向は、社会や大学の施策で変わる!!
 2024年度入試が、社会情勢や大学の変更施策等で、どんな影響を受けるかをチェック。

【流れ・トレンド】 
①受験生の減少(少子化で18歳人口は対前年約4万人も減少)
②難関大は例年通り難しい(合格し易くなるのは中堅以下の大学)
③国の方向性・施策(IT化の遅れを取り戻すべく、理系人材を35%⇒50%へ増加の方向。例えば「女子枠」の拡大、女子大の理系学部設置など)
【変更点・特徴】 受験大学の入試科目・配点、募集人員、日程などに変更があるかをチェック。
①共通テスト利用方式の変更(青山学院大:共通テスト併用を縮小、近畿大・立命館大:共通テスト利用を多科目化など)
②独自入試の変更(関西学院大:配点ウエートによる複線化、成蹊大:独自入試と共通テストの成績を組み合わせる「併用方式」の廃止など)
③英語外部検定利用の拡大(大妻女子大・東京経済大・広島修道大:新規利用など)
④キャンパス・学部の移転(立命館大-情報・映像→大阪いばらきキャンパス、2025年度移転:東京理科大-薬→葛飾キャンパス・龍谷大-社会→深草キャンパス・徳島文理 大→高松駅キャンパスなど、1年後の利便性改善も受験生の流れに影響する)

「難関大」は国公私立とも“前年並み”
 2024年度入試の特徴と動向、及び受験校を選ぶ際の視点などについても触れてみよう。この時期になると、母集団の大きな模試が実施され、その際のデータによって、志望動向などを把握することが可能になる。そんな情報をベースに、受験者動向を分析してみた。

【国公立大】
2024年度にはデータサイエンス・情報系学部が多く増・新設されるが、社会のニーズから、志願者は増加しそうだ。宇都宮大・千葉大・熊本大・富山県立大・下関市立大・高知工科大など。因みに、私立大の情報系学部は設置済みが多く、2024年度は明治学院大-情報数理学部などが注目されている。
【難関大】
国立大の東北大・東京大・名古屋大・京都大・大阪大などは、前年比横ばいか、若干アップ(99%~106%)。また、私立大の早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)・MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)・関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)などは、ほぼ前年並み(97%~99%)。

「医」高人気、「経済・商」に女子が進出
 次に、系統別の志望動向を見てみよう。

【系統別:文系】
「人文科学系」(前年比:国公立大95%・私立大94%)、「法学系」(国公立大95%・私立大92%)は、人気を回復するには時間がかかりそうだ。「経済・経営・商・社会系」(国公立大101%・私立大97%)は、復調の兆しが見えている。また、「外国語系」(国公立大101%・私立大92%)、「国際関係系」(国公立大95%・私立大97%)は、インバウンドの回復が見られている。留学がコロナや円安の影響等で、コロナ以前の状況には戻っていない。「教員養成系」(国公立大98%・私立大93%)は働き方改革等で問題も多いが、国公立大では下げ止まっているようだ。「生活科学系」(国公立大92%・私立大86%)は、女子の経済・商等への志望変更が影響している。
【系統別:理系】
「医学系」(前年比:国公立大105%・私立大107%)で、修学期間が長く、学費が高くても将来の安定、高収入を目指す志望者は多い。「農学系」(国公立大104%・私立大99%)は、地球温暖化・脱炭素等で注目されている。「理・工学系」(国公立大103%・私立大105%)は、就職につながりやすいということで人気を得ている。「スポーツ・健康系」(国公立大113%・私立大94%)は、国公立大の動向が注目される。

これがキーポイントの「アドバイス」7

【1】第1志望は受験すべき⇒安全志向すぎて、ランクを落とさない。一生の問題であり、後で後悔しない。対策は併願校を増やすこと。
【2】グローバル人材は求められている⇒外国語・国際系は今が入学のチャンスかもしれない。海外留学も元に戻ってくるはず。
【3】文系・理系とも志願者減少の見込み⇒一律に減るのではなく、難易度帯によって異なる。
【4】難関大の志願者は減少していない⇒難易度が下がるにつれ、志望者の減少傾向が強い。
【5】2025年度は、現行から新課程への経過措置がある⇒手厚い措置で、易しくなるケースもある。保証はないが、いたずらに恐れない。
【6】受験勉強で「合格ライン」を狙うのはダメ⇒受験生の目標設定は「合格者平均点」にする。
【7】今後の社会では英語と数学が大事⇒英語の情報量は日本語の約30倍。使用国数が多ければ、比例して情報量も増える。また、データサイエンスは、集めたデータ(数字)を読み解く。これには、数学が欠かせない。

本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。

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