大学・大学入試情報

2027年度「新設大学・学部」などの認可に注目!! 目新しい「半導体学部」が話題だが、前年の「コスメ学部」のように人気を集めるか? また、「面接必須」の年内入試はどうなるか?

2027年度は「半導体学部」が話題に!!
 2027年度も新しい大学・学部の設置認可(8月に文科省が公表)が予想されている。昨今の厳しい大学事情から新設大学は、群馬:太田医療科学大学、神奈川:中央医療大学、福岡:博多大学の3校の私立大学であり、医療系など地元に必要とされる大学だ。
 また、主な新設予定の学部では、【国立】福島大学:政経学部、信州大学:サステナブル社会協創学部、【公立】熊本県立大学:半導体学部、【私立】青山学院大学:統計データサイエンス学部、日本女子大学:経済学部、龍谷大学:環境サステナビリティ学部など。すでに、多くの大学にある「情報」を冠する学部が、新たに16学部も申請されている。受験大学の選定では、資料を十分に検討したい。

増加傾向の年内入試に「面接」で異変
 大学入学者の50%超が、「年内入試」(総合型選抜と学校推薦型選抜)を活用して大学進学している。親の世代とは、すっかり様変わりしているのだ。
 文科省が5月27日、「年内入試では面接が必須」を公表してから、早速反応を示した大学があった。7月1日には、成蹊大学が面接の対応ができないと、「基礎学力型」入試を取りやめた。また、東海大学は面接に対応した「学力テスト型・特待生試験」を実施する。
 受験者が少ない大学ならば、急遽の対応も可能だろうが、大規模大学になると、動き出した準備を変更するのは容易ではない。

私立大学は「サバイバル戦争」に突入!!
 2026年も「年内入試」は拡大する傾向にあるが、この入試に関しては気になることも目立つ。いくつかピックアップしてみたい。
「定員割れ大学が60%」(日本私立学校振興・共済事業団が2024年9月に59.2%、2025年は53.2%と改善を公表)ともなれば、入学者の定員を早期に確保したいという大学が多くなる。しかし、高校教育の現場を無視し、入試時期やシステムを混乱させるような選抜方法は容認できない。
 端的に言えば、試験科目を少なくし、早期に選抜を実施することで出願者数を増やし、優秀な学生を他の大学よりも早く、年内に取ってしまおうという“抜け駆け的な”選抜と言われても仕方がない。
 私立大学は「少子化」によって、すでにサバイバル戦争に突入している。その状況の中で、生き延びるための方策の1つが「基礎学力型・年内入試」の導入なのだろう。

「本命大学」に真剣に挑戦しているか
 一方、受験生は出来るだけ早く「合格」を手にしたい、というのが大方の心理。その影響で、年内入試の合格者が50%超となり、年明けの一般選抜による入学者を超えたのだ。
 ここで、受験生の一般的な入試の流れを見てみる。先ず、年内に1つ目の大学合格を確保して安心する。次に、年明けの「一般選抜」で、本命大学にチャレンジするケースが多いと聞く。この方針は間違っていない。
 後は、受験生がどれだけ本命大学に向けて、真剣に継続して勉強するかにかかっている。現実には、クラス仲間や友人らの妥協ムードに流され、本命に手が届かない場合が多いらしい。
「全力でぶつかってもダメだった」くらいまで努力をしたい。精一杯の頑張りが、その後の人生を左右することを知って欲しい。易きに流れていては、好結果を生まない。

入学金の「二重払い」は軽減されるか
 実は、年明けの本命大学に合格すると、入学金の「二重支払い」が問題になる。文科省は、受験生の負担を減らす要請を大学にしているが、大学側も容易に返金には応じない。試験問題の作成、試験会場の設営などに、それなりに経費がかかっているからだ。
 ここで、私立大学の運営について簡単に触れておこう。大学の収入の8割は、授業料などの学生納付金である。それなのに、60%の大学で定員割れでは、返金は厳しい。
 現在の私立大学は、授業料をアップさせて、入学金の額を減らすことで対応しようとしている。例えば、青山学院大学は2027年度から、入学金を20万円から8万円まで減額する。また、関西外国語大学は来年度から、入学金を現在の25万円から10万円まで下げると発表した。

将来を見据えて「資産運用」を促す!!
 また、文科省は7月22日、全国の私立大学に積極的な資産運用を促すことを通知した。少子化による大学進学者の大幅減少で、学費収入の減少が避けられず、財源の多様化が急務となっているからだ。
 これまでの「預金・債券中心の安全性を重視した運用」から「株式などのリスク性資産への投資も含め、資産運用の促進・高度化」を図る必要があるとした。これは健全な運営をしている大学への提言であって、定員割れ大学への対策ではない。2040年度の大学進学者数は現在より3割近い減少が見込まれているが、それを見越した長期の対応だ。

地方活性化の中心「大学」を残したい
 多くの私立大学は、国からの補助金がないと存続できない状況になっている。その額を減らそうと、財務省は、「大学の250校減」を提示した。そこで前回は、この目標が強ち一方的な提示でないことを検証した。また、文科省も、少子化に対応した私立大学の統廃合や定員削減の動きを加速させている。
 しかし、地方からは、戸惑いの声が発せられている。大学は地方にとって、教育と研究の拠点であるだけでなく、若者を地元に留め、地域の活性化にも欠かせない存在だ。「地域創生」系の学部も多く見られる。
 地方の人々は、大学の移転によって学生がいなくなり、寂れてしまった事例を多く見聞きしている。この対策として地方行政は、私立大学の公立化をサポートしながら存続させているケースもある。

大学&教育ウォッチャー  本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

前の記事