大学・大学入試情報
2026年度「共通テスト」も無事終わり、2次出願がスタート。「平均点」は対前年でダウン傾向となり、安全志向の出願が目立つ。マンガ「ベルサイユのばら」や「タイムマシン」などが登場し、話題になった。

2026年「共通テスト」は大きな混乱なし
Web出願初の2026年度「大学入学共通テスト」は1月17日・18日に、全国650会場で実施され、大きな混乱はなく終了した。
大学入試センターによると、試験官の指示ミス、電車の遅延・運休、英語リスニング機器の不具合・騒音等に加えて、スマートフォン使用などの不正行為が確認され、7人が失格となった。なお、不正行為者は規定により、全科目の成績が無効となる。
また、同センターによれば、今回の「共通テスト」の志願者数49万6237人のうち、教科を受験した割合(受験率)は、地理歴史・公民80.2%、国語88.3%、外国語(リーディング・筆記)92.0%、英語(リスニング)91.4%、理科67.2%、数学①69.8%、数学②64.0%、情報61.5%だった。因みに、追・再試験は1月24日・25日、東京と京都で実施され、対象者:追試969人、再試116人だった。
対前年「平均点」がダウンし難化傾向
2026年度「共通テスト」は、新課程2年目として7教科21科目で実施。前年同様の出題方針で、複数の資料を分析して思考力や判断力を測る出題であり、会話文形式、グラフや表等に基づく複数資料の考察などが求められた。斬新な資料の登場が、特徴の1つになっている。
入試センターが1月21日に公表した中間集計(受験者数22万3058人)の主要科目の平均点は、国語:国語(58.04点)、地理歴史:地理総合・地理探究(64.18点)、歴史総合・日本史探究(64.18点)、歴史総合・世界史探究(62.81点)、地理総合/歴史総合/公共(52.54点)、公民:公共・倫理(65.16点)、公共、政治・経済(65.94点)、地理総合・地理探究(57.55点)、数学:数学①数学Ⅰ・数学A(50.58点)、数学②数学Ⅱ・数学B・数学C(58.88点)、理科:物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎(67.02点)、物理(47.46点)、化学(59.57点)、生物(56.67点)、地学(46.12点)、外国語:英語リーディング(64.80点)、英語リスニング(56.42点)、情報:情報Ⅰ(59.76点)で、対前年でダウンしたのは国語、歴史総合・世界史探究、数学Ⅰ・数学A、物理、地学、英語リスニング、情報Ⅰで、他はアップ。最終結果ではないが、ダウン幅の方がアップ幅よりやや大きく、前年より難化したようだ。受験生は2次での得点アップを目指し、慎重な出願が予想される。
また、2026年度は得点調整対象科目の得点差が20点未満であり、前年に続き得点調整はなかった。因みに、共通テストの最終結果などは2月5日に公表される。以下に、「国語」と「英語」の特徴についてチェックしてみよう。
国語:「実用文」は意図分かりにくく難化
【平均点】中間集計:国語は200点満点。116.08点(58.04点)で、前年126.67点より10.59点(5.30点)ダウン。この時期、多くの情報を発信する主要予備校もやや難化とした。
【問題構成】大問数:1~5で前年と同じ。マーク数:37(前年:38)。1マーク減少。
【難易】全体としては、比較的素直な文章・設問で構成されていた。しかし、過去の傾向を踏襲しつつも、解答者を惑わせるような、多様な出題もあり、やや難化した。
【問題分析】第1問:評論文。文章は前年より500字増えたが、設問は分かりやすい。何を主張しているかを掴めれば、高得点が期待できる。
第2問:小説。遠藤周作『影に対して』からの問題。前年のように単一の文章による出題ばかりでなく、問6では同じ作品の別の箇所が引用され、Nさんの「ノート」に関して出題された。
第3問:実用文。絵本の一部や図など、複数の資料を組み合わせた問題。「設問の意図が分かりづらかった」という意見が多く聞かれた。国語のやや難化の要因になったかもしれない。
第4問:古文。平安時代中期の『うつほ物語』からの出題。登場人物が多く、敬語表現に弱いと一気に間違うタイプの設問だった。問5に同一作品の別の箇所が引用され、それによって複数の古文を併せ読む設問が課されていた。
第5問:漢文。江戸時代の漢学者の詩論が出題。蘇軾の見解を提示し、新井白石や服部南郭の詩を事例に挙げ、作者の評価する詩について論評する。本文と資料から成る、典型的な出題。
英語の平均点:Rはアップ、Lはダウン
【平均点】《英語リーディング》中間:100点満点。64.80点、前年57.69点より7.11点アップ。
【問題構成】大問数:1~8、マーク数:44でともに前年と同じ。総語数は約5600語で前年と同じ。第3、4、6、8問の出題形式は前年とほぼ同様だった。
【難易】正解を選ぶのに迷わなかったはずであり、取り組みやすく、やや易化した。
【問題分析】第1問では、4人でのやりとりが初めてだった。第2問では、大学の宿舎の満足度に関する調査結果と住んでいる学生のコメントを読む形式の問題。第7問では2024年度までのスライドが復活した。
【平均点】《英語リスニング》中間:100点満点。56.42点、前年61.31点より4.89点ダウン。
【問題構成】大問数:1~6、マーク数:37でともに前年と同じ。読み上げ総語数は約1600語、質問等は約500語で前年と同じ。
【難易】第1問の語彙に聞き慣れない単語があり、また第4問Aで変化が見られ、やや難化。
【問題分析】第4問Aは、隔年でグラフ問題とイラストを並び換える問題が出題される傾向が定着してきた。不要なイラストが1つ加わって4択から5択になり、例年よりやや解きにくかったようだ。
平均点ダウンで、国公立大は安全志向
注目された「情報Ⅰ」は、全範囲から出題され、マーク数が前年より9増えて60となり、60分の試験時間に対して負担を感じた受験生が多かったようだ。中間集計の平均点は59.76点、前年は72.82点であったため13.06点のダウン。大幅に難化した。
共通テストでは、予想外の資料が使われて話題になるが、「歴史総合・世界史探究」では、マンガ『ベルサイユのばら』の一コマを読み取る問題もあった。また、「地学」ではタイムマシンでの移動を設定した出題もあった。
2026年度「共通テスト」は、平均点ダウンの予想で、前年のような強気の出願とはならず、「安全志向」になることが予想される。
<注:中間集計のため誤差が出る。最終は2月5日公表>
大学&教育ウォッチャー 本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。
