第34回

2022年度前期日程試験が、いよいよ始まった。
「共通テスト」の平均点が大幅ダウンした中、結果はどうなる?
少子化の中、大学はもちろん、高校も生き残りをかけて入試に取り組む――。

2022年3月
大学&教育ウォッチャー  本間 猛

状況は皆一緒!!志望する大学へ出願
 多くの科目で平均点の前年割れが見られた、2回目「共通テスト」の結果を受けて、志望大学へ出願が行われた。「数学ショック」に象徴されるような平均点のダウンは、受験生にどのような影響を与えたのか? 
 文科省が2月22日に公表した「2022年度国公立大学入学者選抜確定志願状況」からは、2次出願において志望変更をせずに、初志を貫徹した受験生が多かったように推察できる。つまり、「共通テストの結果に不安はあるが、状況は皆一緒。志望する大学に出願しよう」となったのではなかろうか。

国立大は倍率がアップした大学多い
 対前年で確定志願倍率がアップした国立大学が39校、ダウンが33校、同じが10校の計82校、公立大学はアップが35校、ダウンが50校、同じが5校の計90校だった。前年は安定志向が強く、国立大を敬遠して公立大に受験者が流れたが、今年はコロナ禍や地元志向の意識が、前年よりやや弱くなったようだ。
 主要国立大学の倍率では、東京大3.2倍(前年3.1倍)、東京工業大4.1倍(同3.9倍)、一橋大4.3倍(同4.1倍)、京都大2.9倍(同2.8倍)、大阪大2.6倍(同2.4倍)など。前年2次試験を中止して、志願者を減らした横浜国立大は5.5倍(同3.2倍)、府立大と市立大が合併した新設の大阪公立大は5.4倍で堅調だった。

志願者数は対前年で3242人増加!!
 また、国公立大学の日程別志願倍率は、前期が募集人員7万9957人、志願者数23万3997人で2.9倍、後期が募集1万6329人、志願者16万3280人で10.0倍、中期が募集2349人、志願者3万1380人で13.4倍。合計では募集9万8635人(前年9万8978人)、志願者42万8657人(同42万5415人)で4.3倍(同4.3倍)だった。志願者数は、対前年で3242人増えた。
 日程別志願倍率のトップは、国立・前期が東京芸術大・美術で11.5倍、国立・後期が島根大・教育で35.9倍、公立・前期が釧路公立大・経済で9.3倍、公立・後期が愛媛県立医療技術大・保健で31.4倍、公立・中期が山陽小野田市立山口東京理科大・工で50.7倍だった。
 後期・中期の高倍率は、前期合格者が抜けるから「恐れるに足らず」とは言っても、気になる倍率だ。2月25日の前期日程に続き、3月の中期、後期と2次試験が実施される。果たして、2022年度国公立大学一般選抜の結果は?

「学校推薦型」「総合型」選抜に注目
 最近、話題になっているのが、「一般選抜」以外の旧「AO入試」を含めた「学校推薦型選抜」「総合型選抜」などの動向である。ネット上のニュース記事、「成績が最もいいのはAO入学者 東北大・早稲田大」(2/9、2/10:朝日新聞EduA)、「早慶上智も半数近くが推薦入学」(2/15:JBpress)などが散見された。
 上記記事の見出しを読んだだけでも想像できるが、難関大といわれる大学も、優秀な学生を早く囲い込みたい事情がある。文科省の「定員の厳格化」があるため、合格者の歩留まりに苦慮している。
 また、高校も一緒で、少子化時代を生き抜くために、「上位大学に進学できる」という実績が欲しいのだ。すでに、「学校推薦型選抜」等が機能し始めている。国公立大学も、定員の30%はこの選抜にしたいとしている。

ブランド力で優秀な生徒が集まる
 私立大学にはもう1つ、従前からの「指定校推薦」がある。これは大学にブランド力があれば、生徒が「指定制があれば、推薦して欲しい」と相談に来る。言い換えれば、「魅力がある大学」ならば、生徒が集められる。
 大学に指定された人数枠までを、学校長の推薦を受けて、専願でエントリーすれば、ほぼ合格できる。人選は学校長に任されるから、学校側に責任が生ずる。そうなると、担当教員と合議を諮りながら、慎重に人選することが求められる。
 公私立高校で推薦入試に取り組んできた元校長の知人によれば、AO入試で合格した生徒が、成績優秀なのは頷けるという。基本的には、「人間力がある生徒」を選ぶそうだ。
「出席状況が良好、課題の提出状況がよく、定期テストや特別活動にもちゃんと取り組み、検定にも熱心という、誠実な生徒を選びます。簡単に言えば、勉強の習慣が身についている生徒です。生徒の側に選ばれたという意識があれば、大学に進学してからも、さらに真面目に勉学に励むでしょう」

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