第5回 大学・大学入試情報コラム
新型コロナの第3波が襲来した!!
国公立大・私立大などで、「入試要項」の変更が相次ぐ!!
受験生は志望大学のホームページで、最新情報を必ずチェックすべし!!
2020年11月
大学&教育ウォッチャー 本間 猛
コロナ対応の中で入試の変更点が多い
新型コロナが収束せず、第3波が襲来しており、2021年1~3月の入試時期は不測の事態が起こりかねない状況だ。受験生は、最悪の状況を想定しておくことが必要になる。
現在を含めた10~12月は、総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)を実施中だが、多くの大学がコロナ禍等によって、当初の「入試ガイド」掲載の入試要項を変更しているケースが目立つ。
2020年度781校もある大学のホームページ(HP)を片っ端から調べられないが、主な大学の7月以降の入試要項の変更をチェックしてみると、同志社大が11件で比較的多い。例えば、その内容はコロナ禍の取扱い、「入試ガイド2021」の訂正、自然災害の対応、学部入試や自己推薦入試要項の変更点など、多岐にわたっている。受験生は志望校の選定にあたって、必ずHPで最新の入試情報を確認したい。
「オンライン面接」の増加、その対処法
今秋の入試変更点で目立つのが、「オンライン面接」の活用だ。総合型・学校推薦型選抜では面接が重視されるが、コロナ禍で移動などを含めて容易ではない。そこで、オンライン面接に変更した大学が多い。面接は国公立大の2次試験でも行われるから、オンライン面接の対処法・注意点等を紹介したい。
総合型選抜では、大学が示したアドミッション・ポリシーにマッチした受験生かどうかを、出願時に提出してある志望理由書・自己推薦書・調査書などと面接で照らし合わせて、合否を判定していく。この時、志望理由の本気度などを確認するためにも、対話が欠かせない。
会議システム「Zoom」での個人面接が多いが、その時の注意点をあげてみる。
*通信不良(大学に連絡。事前に、自宅内で通信が安定する場所をチェックして選定する)
*服装やマナー(制服でよい。言葉は面接官が聞き取れるように、自信を持って話す。家人によるサポートなどは、絶対にダメ)
*多面的に受験生を評価(要点を整理し、表示しながら話す、自作のポスターを使ってプレゼンするなど。自己作品等の提示も有効である)
図表を読み解く出題が増加、時間不足
この秋、大型書店には「共通テスト」の予想問題集などが多く並べられている。それらを手にしながら、出題ポイントを探ってみた。文科省(大学入試センター)は「思考力・判断力・表現力」を問う出題としており、それを意識した問題が全体的に多くなっている。
また、過去に行われた「試行問題」をベースにした予想問題となっている。全体に図表を読み解く出題が増えるなど、出題形式が変わってきている。英語や国語でも変更点がある。
英語ではリーディングとリスニングが同じ配点で、リーディングでは発音やアクセント、語彙のみを問う出題がなくなり、すべてが読解問題形式になる。また、リスニングは1回しか読まれない問題も出題される。ともかく、読む英文量が多くなるのは間違いない。
国語は現代文2題、古文と漢文各1題という出題に変更はなさそうだが、図や表が入ると予想され、解答までに時間がかかりそうだ。英語と国語とも、平均点のダウンが予想される。対策としては、問題の形式に慣れ、解答時間の配分を配慮することが大切だろう。
コロナ罹患者の「追試験」は避けたい
各大学の一般選抜(2次)では、コロナ禍の対応として「発展的な学習内容」を出題から除外したり、設問に補足説明を加えたりする。
また、国立大は追試験を実施する。私立大は別日程での振り替え受験を認める方向で調整している。しかし、私立大の場合は、調整がつかない場合も出てくる可能性がある。
まだ具体的な方針を示した私立大は少ないが、慶應義塾大は3月9日に追試験を実施すると公表。追試験の対象者は、新型コロナウイルス感染症に罹患し、通常試験日までに治癒していないと医師が診断したことを証明できる者としている。
また、文科省は3月実施の追試験での合格者について、入学までの時間的な余裕がないとして、定員規制の対象外とすることを決めている。こんな事態にならないことを祈るばかりだ。