大学・大学入試情報

2026年度入試・入学者決定・卒業式・入学式と大学は多忙の連続。入試の総括、次年度の変更点は、まだ見えて来ない。また、3月24日には、高校教科書の検定結果が判明。AI・SNSがポイントに!!

私立は年内選抜増、国立は安全志向
 2026年度大学入試の終了直後からは、卒業式、入学式と続き、各大学はホッとする暇もない程多忙な時期。その後、入試の総括を行い、2027年度入試の方針・変更点を整理し、大学案内の作成に突入する。
 ここでは、2026年度入試で気づいたことをピックアップしてみたい。①今年も、年内選抜(学校推薦型+総合型)が注目され、増加した。②「共通テスト」は対前年で平均点がダウンし、安全志向の出願が目立った。自己責任によるWeb出願が初導入されたが、特にトラブルもなく推移した。

私立大志願者数は近畿大が再び1位
 ③私立大の志願者数は、難関大では前年並みが多かった。トップ3は、1位:近畿大17万4789人(前年15万7563人)前年比110.9%、2位:千葉工業大16万170人(前年16万2005人)前年比98.9%、3位:東洋大11万9233人(前年11万3762人)前年比104.8%で、今年は近畿大が千葉工業大を抜き返した。
 3位の東洋大は、前年の年内選抜によるイメージダウンが懸念されたが克服した格好だ。また、不祥事が続いた日本大は11万1902人、対前年121.3%となり、驚異の回復をみせた。全国の女子大学が苦戦する中、日本女子大は1万2050人、対前年131.9%で、家政学部の志願者が大幅に増えた。2028年度の改組を目指す同大にとっては、朗報に違いない。

どこの大学でも、出題ミスは防ぎたい
 大学関係者や受験者等が「志願者数」を気にするのは、大学の人気や競争率のバロメーターとなるからだ。勿論、大学にとっては志願者が増えれば、受験料収入が増加するという大きなメリットがある。
 大学にとって入試問題を作成・実施し、採点する過程では労力と資金を要する。また、今年も北海道大・山形大・福井大・京都大・九州大・長崎大などで出題ミスが報道された。どこの大学でも、ミスによるイメージダウンは回避したいはずだ。

「共通テスト」を、私立大が上手く活用
 私立大にとっては、応分の費用負担をしても試験会場の設定等が不要になるのだから、「共通テスト利用入試」はメリットが大きい。各大学は、魅力ある学部選択を可能にし、受験料の割引などを付加すれば、志願者を多く集めることができることになる。
 近畿大や千葉工業大などは、共通テストを使って1人の受験者が多くの学部・学科を併願できるようにしている。大学に、17万人や16万人の受験生を集めるのではなく、書類上で合否が決められる。しかし、これとて「あの大学に行って学びたい」という魅力やインパクト等がないと、上手くいかない話だ。

2025年度「教科書検定」の結果を公表
 文科省は3月24日、2027年度以降、主に高2生が使用する教科書の検定結果を公表。ご存知のように、教科書検定は民間の教科書会社が編集した教科書を国が審査する制度だ。
 24社が検定申請した224点のうち、11教科220点が合格した。現行の学習指導要領に基づく2回目の検定で、教科書の新しい対応や内容などが注目を集めた。
 2022年11月に対話型AIサービス「チャットGPT」が公開され、世界中で利用が広がった。因みに、子ども家庭庁の2025年度調査では、高校生の46.2%が生成AIを利用していた。この状況を踏まえた教科書会社は、今回の検定で生成AIなどをテーマに取り上げた教科書は、7教科30点に上った。
 また、今回の検定では、QRコードの掲載が195点の教科書でみられた。

「情報リテラシー」の適切な活用が重要
 生成AI(人工知能)やSNSの普及などが急拡大する時代に、検定に合格した教科書は記述の多さで対応した。AIについては、合格した220点のうち67点の教科書が仕組みやリスクについて取りあげた。
 文科省は今回合格した教科書を通して、「情報リテラシー」の育成を目指している。ここでいう「情報リテラシー」とは、情報を適切に収集、評価、利用、発信する能力で、教科書を使用することによって、浸透・拡充を図る狙いがある。この文科省の意図を踏まえて、教科書を活用することが重要になる。

「論理国語」に小説の掲載が増加!!
【国語:教科書検定の特徴など】
 「情報Ⅱ」が情報リテラシーについて扱うのは当然だが、他の教科でもAI関連の記述が増えたのは、高校生の生成AIへの依存度が高かったからだ。
「論理国語」では、AIの仕組み、偏見や不適切な価値観への注意を喚起した文章がみられた。また、今回の検定では「論理国語」の教科書13点のうち、小説を掲載した4点と、QRコード先で小説を参照できる2点が合格した。高校現場での「いろいろな文章」のニーズに応えたのだろう。前回は2点の教科書だったから、大幅に増えたことになる。

AIやSNSのウソ・誤報を見分ける力
【英語:教科書検定の特徴など】
 英語では、「言語活動」を充実させるため、多くの工夫を凝らした。親しみやすい題材、内容が目立った。「論理・表現Ⅱ」では、歌手になりきって、SNSに投稿する新曲告知を英文で考えるなどのケースもみられた。
 英語コミュニケーションⅡで、英文を掲載し、SNSがいじめや誤情報の拡散にも使われてしまうことに言及した教科書があった。
 このほか高校の学習指導要領では、自ら課題を見つけて考え、解決に向けて取り組む探究型の学習が重視されている。探究学習の手順や手法は7教科104点で扱われ、新たにページを設けた教科書もあった。ともあれ、 「情報」のスピード化に、教科書の改訂サイクルが追いつくのかを危惧している──。
【資料】
令和7年度教科用図書検定調査審議会総会(第1回) 配付資料:文部科学省
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/tosho/115/siryo/1414759_00002.htm

大学&教育ウォッチャー  本間 猛:
東京理科大学理学部数学科1964年3月卒(参考 昭和39年:東京オリンピック・新潟地震)。元(株)旺文社取締役。中学・高校雑誌編集長,テスト部長,関西支社長等を歴任。

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